こんにちは。広島市にあるカトリック幟町(のぼりまち)教会へ行ったときのことです。クリスマスのミサだったのですが、手話通訳がついていました。
今回は新しいテーマとして、私が最近勉強している「手話」について、日々の発見や学びをお届けしていきたいと思います。
実は、私が手話を勉強し始めたのは、仕事で手話が共通言語になっているからです。就職時には手話の知識は必要なかったのですが、働き始めてみると、職場にろう者がたくさんいらっしゃり、手話が必須だと気づきました。
手話を学び始めて1年。まだまだ初心者ですが、手話の世界は奥深く、とても面白いです。今回は、その中でも特に興味深いと感じた「広島弁の手話」についてお話ししたいと思います。
日本手話と日本語対応手話

手話には、大きく分けて二つの種類があることをご存知でしょうか。
一つは、日本手話です。これは日本のろう者が、自然に、日常的に使っている手話で、独自の文法や語順、語彙を持っています。日本語の文章をそのまま手話に置き換えるのではなく、手話として自然な表現をするのが特徴です。
そしてもう一つが、日本語対応手話(日本語手話)です。こちらは、日本語の語順や単語をそのまま手話で表現するものです。
たとえば、「私は学校へ行きます」という日本語の文を、一語一語、手話単語に置き換えるようなイメージです。
しかし、この日本語対応手話は、ろう者にとっては少し分かりづらい場合があるそうです。なぜなら、手話には「てにをは」のような助詞がないからです。そのため、日本語対応手話だと、単語と単語の間に意味の繋がりが見えにくくなってしまうのです。
日本手話では、語順や単語の間に、表情、ジェスチャー、口の形、空間の使い方などを加えることで、意味を補い、円滑なコミュニケーションを図っています。こうした表現の豊かさが、日本手話の魅力であり、ろう者同士がスムーズにコミュニケーションを取るための工夫なのだと知りました。
広島弁の手話って?
さて、手話は地域によっても単語が違うことをご存知ですか?
まるで方言のように、その土地特有の単語があるのです。特に地名や地域の特産品など、その土地にしかないものに独特な表現が使われることが多いようです。
広島で手話を勉強していると、広島ならではの手話単語に出会うことがあります。
例えば、「広島」「江田島(えたじま)」「原爆ドーム」といった地名や、「カープ」などの固有名詞は、広島独特の表現が使われることが多いです。
広島の手話単語の面白さは、その単語が、その土地の歴史や文化を反映している点にあります。原爆ドームの手話は、ドームの形を表すような動きが取り入れられていたりします。
その他にも、「犬」「なーんだ」「間違えた」「慎重に」「手間がかからない」「うれしい」「横着」「おとなしい」など、よく使う単語もあって、これらをマスターすると途端に広島で手話を使っている感が増します。広島の食べ物も独特な表現があります。「中華そば」「牡蠣」「あなご」「お好み焼き」をこちら(広島聴覚センター動画集)で紹介してありました。
手話の方言を標準語にしないわけは?
ろう者の全国集会のときに、初日はなにいっているかわからないことがある、のだそうです。その夜から、お酒が入ってくると、何を言っているかわかってくるらしい。
聴者の場合も、東京へ行って何年経っても広島弁の人や関西なまりの人がいるように、手話の場合はどの地方の人も標準語をあえてしゃべらないのかもしれません。
なぜでしょうか?
アイデンティティ(私はワタシよ、といういみ)なのか?まるで、バベルの塔のあとで、いろんな言語がわかれてしまった聖書の中のお話のようです。
手話カテゴリー「広島弁の手話」
広島県では、手話言語条例が成立したり、また、今後デフリンピックが日本で開催されることも決まり、手話に興味を持つ方が増えています。
私がそうであったように、最初は「仕事のために」と勉強を始めた手話ですが、今ではろう者の方々の文化やコミュニケーションのあり方を知る、大切なツールになっています。
これからも、手話を通して見えてくる新しい世界を、このブログで皆さんと共有していけたら嬉しいです。実を言うと、手話習得という一つの目標へ向かって頑張っていると、仲間たちとの交流も生まれて楽しいものです。