遺骨ダイヤモンドは、故人やペットの遺骨や遺灰から作られる、世界に一つだけの特別なダイヤモンドです。天然のダイヤモンドは、地球の奥深くで、とてつもない高温と高圧の環境に何百万年もさらされることで偶然に生まれます。遺骨ダイヤモンドは、この自然のプロセスを、最新の技術で再現して作られます。


母の遺骨からダイヤモンドができる理由

ブラックダイヤモンド
ブラックダイヤモンド

「ねぇ、わたしの母の遺骨、ダイヤモンドにできるんだって」
私がそう切り出すと、夫は驚いた顔でこちらを見た。
「何を言い出すんだよ。そんなこと、できるわけないだろう」
夫は、まるでSF映画でも見ているかのような顔で、信じられない、と首を横に振る。
無理もない。私も最初、その話を聞いたときは、同じように驚いたのだから。
「うん、でもね、本当にできるんだよ」
私は、夫にコーヒーを淹れながら、ゆっくりと話し始めた。
「天然のダイヤモンドって、どうやってできるか知ってる?地底の奥深く、150kmも下の、とんでもない高温と高圧の環境で、炭素が何百万年もかけて結晶になったものなんだって」
夫は、私の話に興味を持ったのか、黙って耳を傾けている。
「人間の体も、実はほとんどが炭素でできているの。母の髪の毛や、お骨にも、たくさんの炭素が残っているんだよ」

ご遺骨や髪の毛から炭素を抽出し、それを精製した後、人工的に高温高圧の環境を作り出します。そうすることで、天然ダイヤモンドと全く同じ結晶構造と化学組成を持つ、本物のダイヤモンドが誕生します。大切な方の存在を、永遠に輝くダイヤモンドとして身近に感じられる。それが、遺骨ダイヤモンドです。

ハートイン・ダイヤモンド heart-in-diamond.jp

「魔法」みたいな、科学の力

「その炭素をね、特殊な技術で取り出して、精製するんだって。そして、天然のダイヤモンドが作られるのと同じ環境を、人工的に作り出すんだ」
「え?地下150kmの環境を、どうやって?」
「それが、今の科学ってすごいんだよ。専用の機械を使って、高温と高圧の環境を作り出して、その中で炭素を圧縮するの。そうすると、天然のダイヤモンドと全く同じ、化学組成と結晶構造を持ったダイヤモンドができるんだって」
夫は、少し考え込むような顔で、コーヒーカップを両手で温めている。
「なんだか、SFみたいだな」
「でしょう?でもね、これって、ただの科学技術の話じゃないの」
私は、夫の目をじっと見て、続けた。
「母との思い出や、たくさんの愛が、永遠に輝くダイヤモンドになるってことなんだよ。お墓にしまっておくよりも、いつもそばに感じられるでしょう?」
夫は、何も言わずに、ただ静かに頷いた。
その横顔に、少しだけ、理解してくれたような気がして、私はそっと微笑んだ。
お母さんを、永遠の輝きに変えたい。
この想いが、いつか夫にも届くと信じている。


遺灰や毛髪が足りなくてもダイヤモンドを作れるか?

遺骨や遺髪が少ない、または手元にない場合でも、製作してもらえます。故人が大切にしていた思い出の品(日記、衣類など)から炭素を抽出してダイヤモンドを製作することもできます。また、思い出の品を混ぜて作ることもできます。知っている遺骨ダイヤモンドの窓口があれば、気軽に相談してみましょう。

「思い出」から生まれるダイヤモンド

「ねぇ、遺骨、少ししか残ってないんだけど、ダイヤモンドにできるかな?」
私がそう尋ねると、夫は複雑そうな顔をした。
「どうしてそんなにこだわるんだ?お骨が少ないなら、もう諦めたらどうなんだ」
夫の言葉は、私の心をチクリと刺した。母のことを忘れたいわけじゃない。でも、お墓にしまってしまうのは、なんだか寂しくて。
私は、諦めきれない気持ちで、遺骨ダイヤモンドの窓口に電話をしてみた。
「あの、遺骨が少ししかないのですが、ダイヤモンドは作れますか?」
すると、電話口の担当者さんは、穏やかな声でこう言ってくれた。
「大丈夫ですよ。遺灰が少ない、あるいはなくても、製作は可能です。その際には、故人さまに由来する想い出の品などから炭素を抽出して、ダイヤモンドを製作することができます」
私は、その言葉に、胸が熱くなるのを感じた。

「思い出」から生まれる輝き

電話を切った後、私は夫にそのことを伝えた。
「ねぇ、母の日記とか、写真とか、そういう思い出の品からもダイヤモンドができるんだって」
夫は、驚いた顔で私を見つめている。
「どういうこと?」
「遺骨や髪の毛がなくても、お母さんの使っていたもの、例えば日記帳とか、セーターとか、そういう思い出の品にも炭素は含まれているの。それを遺骨と混ぜることもできるし、思い出の品だけで作ることもできるんだって」
夫は、黙って考え込んでいる。
「母が大事にしていたものから、ダイヤモンドが作られる。それは、ただの石じゃなくて、母との思い出そのものをダイヤモンドにできるんだよ」

「温かい想い」が輝く

「母、字を書くのが好きだったでしょう?もし日記帳からダイヤモンドを作ったら、母の温かい気持ちが、ずっとこのダイヤモンドの中に輝き続けるんだよ」
私の言葉に、夫は静かに頷いた。
「そうか。お骨がなくても、お義母さんは、いつもそばにいてくれるんだな」
私は、夫のその言葉に、涙がこぼれそうになった。
遺骨ダイヤモンドは、ただの供養じゃない。
それは、大切な人との温かい思い出を、永遠の輝きに変えてくれる「魔法」なのだと、夫に伝えることができた気がした。

ジュエリーが迷って決められない

遺骨ダイヤモンドは、製作に通常12~16週間かかります。この間に、ダイヤモンドをどのようなジュエリーにするか、じっくりと考える時間がありますので、焦って決めなくても大丈夫でした。

「迷う時間」も大切な理由

「お母さんをダイヤモンドにするのは決めたけど、どんなジュエリーにしようか迷っちゃって…」
私がそう言うと、夫は不思議そうな顔をした。
「そんなに悩むことか?どれもきれいじゃないか」
夫にとっては、ジュエリーの形はどれでも同じなのかもしれない。でも、私には、どれも違うように見える。
指輪にしていつも身につけていたい気もするし、ネックレスにして胸元で輝かせていたい気もする。
「だって、お母さんに一番似合う形にしてあげたいんだもん」
私の言葉に、夫は何も言わずに、ただ静かに頷いた。

焦る必要はない

そんな私を見かねて、夫が、そっと声をかけてくれた。
「ねぇ、窓口の人に聞いてみたらどうだ?何かいいアドバイスがもらえるかもしれない」
その言葉に、私はハッとした。
すぐに窓口に電話をかけると、担当者の方は、私の悩みを丁寧に聞いてくれた。
「ジュエリーがお決まりでないとのこと、承知いたしました。ダイヤモンドの製造には12週間から16週間ほどかかりますので、その間にじっくりとお選びいただけますよ」
その言葉に、私の心は軽くなった。

「選ぶ時間」が、愛を深める

「ねぇ、ダイヤモンドができるまでの間に、ゆっくりジュエリーを選ぶ時間があるんだって」
夫にそう伝えると、夫は少し驚いた顔をしていた。
「そうか。じゃあ、君のアルバムを見返したりして、お義母さんにはどんな形がいいか、一緒に考えようか」
私は、夫のその言葉に、涙がこぼれそうになった。
遺骨ダイヤモンドは、ただの「モノ」じゃない。
それは、母を想い、母のために「迷う」時間さえも、私たち夫婦の愛を深めてくれる、特別な時間なのだ。
そして、その時間を、母もきっと喜んで見守ってくれているだろう。


遺骨ダイヤモンドの証明書は何を証明?

完成したダイヤモンドには証明書がついてきます。この証明書には、宝石としての価値を示すカラット、カラー、カット、クラリティ(4C)が記載され、ご遺骨の成分も、故人やペットの存在がこのダイヤモンドに宿っていることが書かれています。

ダイヤモンドに込められた「愛の証明」

「この証明書、何が書いてあるんだろう?」
夫が、完成した遺骨ダイヤモンドと一緒に届いた、厳かな証明書を手に取り、不安そうにつぶやいた。
夫は、これまでずっと遺骨ダイヤモンドに懐疑的だった。
「本当に、お母さんのダイヤモンドだって証明できるのか?」
その言葉に、私は微笑みながら、夫の隣に座った。

「4つのC」が語る物語

「見て、この証明書にはね、ダイヤモンドの品質が書いてあるんだよ」
私は、証明書に記載された「カラット」「カラー」「カット」「クラリティ」という文字を指さした。
「これは、ダイヤモンドがどれくらい重くて、どんな色で、どうやって磨かれて、どれだけ透明か、っていうことを証明してくれるの。宝石としての価値を、きちんと鑑定してくれているんだよ」
夫は、その説明に、真剣な顔で頷いている。
「すごいな。ただの遺骨が、こんなに価値のあるものになるなんて…」
「でもね、本当に大切なのは、この次の部分なんだよ」
私は、証明書の下の方に書かれた文章を指さした。

愛の証明書

「お預かりしたご毛髪やご遺灰、ご遺骨の成分も記載されております。」
夫は、その一文を読んで、ハッとした表情になった。
「これは、間違いなく、お義母さんのダイヤモンドだ、ってことだよな?」
「そう。これは、宝石としての価値だけじゃなくて、母から作られたダイヤモンドだっていう、一番大切なことを証明してくれるんだよ」
夫は、証明書を握りしめ、静かに涙を流した。
「そうか…お義母さんは、ちゃんとここにいるんだな」
遺骨ダイヤモンドは、私たちに「愛は形を変えて、永遠に輝き続ける」ということを教えてくれた。
そして、その輝きは、私たち夫婦の心を、これからもずっと照らし続けてくれるだろう。


ペットのダイヤモンド

愛するペットを亡くした後も、その存在を身近に感じたいと願う方へ。ペットのご遺骨や毛からもダイヤモンドを製作できます。撫でたり、遊んだりすることは叶いませんが、ご遺骨から生まれたダイヤモンドは、共に過ごしたかけがえのない時間をいつまでも思い出させてくれる、大切な輝きとなります。

愛猫の遺骨をダイヤモンドにできるって

「ねぇ、ナナの遺骨もダイヤモンドにできるんだって」
私がそう切り出すと、夫は怪訝な顔をした。
「人間だけじゃないのか?そんなこと、できるのか?」
ナナを失ってから、夫も私も、心にぽっかりと穴が開いたようだ。毎日、夫は帰宅すると、玄関で待っていないかと、ナナの姿を探してしまうらしい。
「うん、できるんだって。人間と同じように、ペットの毛や遺骨からも作れるらしいよ」
私は、ナナが生前よく使っていた、毛玉だらけの毛布をそっと撫でた。

「ただいま」を言える場所

「ナナがいなくなってから、帰ってきても『ただいま』って言える相手がいなくなっちゃって、寂しいんだ」
夫が、ぽつりとつぶやいた。
その言葉に、私の胸は締め付けられる。
「遺骨をダイヤモンドにすれば、ずっと一緒にいられるんだって。いつもそばに感じられるから、寂しいときも、きっと乗り越えられるよ」
私は、夫にスマートフォンを見せ、ペットの遺骨ダイヤモンドについて書かれた記事を見せた。

「幸せな時間」を思い出す輝き

「ペットのご遺骨をダイヤモンドにすることで、ペットが亡くなった後も身近に感じることができます。ペットを撫でたり、遊んだりすることができなくなり悲しいとき、愛するペットの毛や遺骨から作られたダイヤモンドは一緒に過ごした幸せな時間を思い出させてくれます」
記事のその一文を、夫は食い入るように読んでいる。
夫の目には、うっすらと涙が浮かんでいるように見えた。
「そうか、ナナに『ただいま』って言える場所が、またできるんだな」
夫のその言葉に、私は深く頷いた。
遺骨ダイヤモンドは、ただのモノじゃない。
それは、ナナとの幸せな時間を永遠に閉じ込める、私たちの「愛の証」なのだと、夫にも伝わった気がした。


遺灰をすでに納骨してしまったら手遅れなのか?

すでに納骨を済ませても、遺骨を取り出してダイヤモンドを製作することはできます。お墓の管理事務所に問い合わせすると、通常は簡単な手続きで遺骨を返却してもらえます。

「納骨した後でも」できること

「もう納骨しちゃったけど、オレの母の遺骨ダイヤモンドって、もう無理だよね」
夫が、ぽつりと寂しそうにつぶやいた。
お義母さんを失った悲しみから、私も、ただただ時間だけが過ぎるのだけを待っていた。
気がつけば、四十九日も過ぎ、お義母さんの遺骨はもうお墓の中に納められていた。
遺骨ダイヤモンドのことを知ったときには、もう遅かったのだ(私の母のときに遺骨ダイヤモンドを知ったから)。
「私、ずっと後悔してたんだ。もっと早く知っていれば、お義母さんをダイヤモンドにできたのにって」
私の言葉に、夫は何も言わずに、ただ頷いた。

「諦めなくていいんだよ」

そんなある日、私は偶然、遺骨ダイヤモンドのサイトに「納骨後でも大丈夫」という一文を見つけた。
「えっ、本当かな?」
私は、半信半疑で、遺骨ダイヤモンドの窓口に電話をかけてみた。
「あの、もう納骨してしまったのですが、ダイヤモンドは作れますか?」
すると、担当者の方は、とても優しくこう答えてくれた。
「はい、大丈夫ですよ。納骨されている場合でも、比較的簡単な手続きを行えば、お骨を返していただくことが可能です。まずは、お墓の管理事務所に問い合わせてみてください」
私は、その言葉に、希望の光が差したような気がした。

「お義母さん」に、もう一度会える

「ねぇ、お義母さんのお骨、また戻ってこられるんだって」
私は、興奮しながら夫に伝えた。
夫は、驚いた顔で私を見つめた。
「どういうことだ?」
「お墓の管理事務所に言えば、手続きをして、お骨を返してもらえるんだって。そうすれば、お義母さんもダイヤモンドにできるよ」
夫の目に、再び希望の光が灯ったように見えた。
「そうか、諦めなくてよかったんだな」
私は、夫のその言葉に、深く頷いた。
遺骨ダイヤモンドは、私たちに、「もう遅い」と思っていたことでも、まだできることがあると教えてくれた。
そして、「お義母さんに、もう一度会える」という、ささやかな希望をくれたのだ。


亡くなってから時間が経った遺灰

亡くなってから時間が経った遺灰でも、製作は可能で、年数の経過はダイヤモンド製作に影響しません。

時を超えて輝くダイヤモンド

お義母さんのお寺によったときのことだった。

「亡くなってずいぶん時間が経っちゃってたけど…」
夫が、ふと、お墓の前でつぶやいた。
お義母さんが旅立ってから、もう何年も経つ。
「こんなに時間が経ってしまったら、もう遺骨ダイヤモンドは無理だよね…」
夫は、諦めたように、静かに手を合わせた。
私は、夫のその言葉に、胸が痛くなった。
私もずっと、同じことを考えていた。
もっと早く知っていれば、お義母さんを永遠の輝きに変えられたのに。
でも、心のどこかで、もしかしたらまだ間に合うんじゃないか、という小さな希望を抱いていた。

「年数は関係ない」という希望

帰宅してすぐに、私は遺骨ダイヤモンドの窓口にまたまた、質問メールを送った。
「以前にもご相談させていただいたものです。亡くなってから時間が経った遺灰でも、製作は可能なのですか?」
数時間後、すぐに返信が届いた。
「保管状態にもよりますが、年数の経過自体は製作に支障はございません。」
そのメールを読んだとき、私は、希望の光が差したような気がした。

「思い出」は色褪せない

「ねぇ、お義母さんのお骨、まだ大丈夫なんだって」
私は、夫にそのメールを見せた。
夫は、驚いた顔で画面を見つめている。
「時間が経っていても、ちゃんとダイヤモンドになってくれるんだな…」
夫は、私の手を握り、静かに言った。
「思い出も、時が経つと少しずつ薄れていく気がしてたけど、ダイヤモンドにすれば、ずっと色褪せないんだな」
私は、夫のその言葉に、深く頷いた。
遺骨ダイヤモンドは、私たちに、「時が経っても、思い出は色褪せない」ということを教えてくれた。
そして、いつまでも、お義母さんを大切に想い続けることができる、新しい方法を教えてくれたのだ。


製作をお願いした大きさのダイヤモンドが必ずできるか?

ほとんどの場合、希望した大きさに仕上がります。ただし、できあがる原石に個体差があるため、わずかなばらつきが生じることも考えられます。長年の経験を持つ熟練の技術者が、丁寧に製作しているそうです。万が一、希望のサイズより小さく仕上がった場合は、差額を返金してくれる窓口もあります。

「もしも」が起きても大丈夫な理由

「ダイヤモンドのことなんだけど、もし頼んだ大きさにならなかったらどうしよう?」
夫が不安そうに言った。
「小さくなったりしたら、なんか、オレの母や、遺された父にも、申し訳ない気がする」
遺骨ダイヤモンドに乗り気になってくれたのは嬉しいけれど、今度はまた別の心配が湧いてきたようだ。
私は、夫の不安を和らげるように、そっと肩に触れた。
「大丈夫だよ。私も最初、同じことを心配したの」

プロの「自信」が支えてくれる

「それでね、遺骨ダイヤモンドの窓口の人に聞いてみたんだ。そしたらね、『ほとんどの場合、ご注文通りの大きさに仕上がります』って言ってくれたの」
「でも、もし小さくなっちゃったら?」
「その場合は、差額をちゃんと返金してくれるんだって」
私は、ウェブサイトの文章を夫に見せた。
『お作りするダイヤモンドの原石に個体差がありますので、多少のばらつきがございます。長年の経験のあるラボで制作しますので、技術には自信を持っておりますが、万が一ご注文いただいた大きさより、ほんの少しでも小さい場合は差額をご返金させていただきます』
夫は、その文章を真剣な顔で読んでいる。
私はその背中に話しかけた。
「これって、すごいことだと思わない?」
「どうして?」
「だって、プロの技術に自信があるからこそ、こんな約束ができるんだよ。それに、もしものことがあっても、ちゃんと対応してくれる。それって、お義母さんのことを大切に扱ってくれるってことだよね」

「気持ち」の大きさが一番大切

夫は、私の言葉に静かに頷いた。
「そうだね。母を大切に思ってくれるところでお願いしたいよな」
大きさがどうなるか、という心配は、少しずつ消えていったようだ。
「それにね、たとえ少し小さくなったとしても、私たちがお義母さんを思う気持ちの大きさは、何も変わらないよ」
夫は、私の言葉に微笑んで、優しく手を握ってくれた。
遺骨ダイヤモンドは、ただのモノじゃない。それは、肉親への私たちの「愛の形」なのだと、改めて二人で感じた瞬間だった。


製作にどのくらいの時間がかかるのだろうか?

製作期間は通常12〜16週間で、遺骨の個体差やダイヤモンドのサイズ、カット、ジュエリー加工の有無によって期間が前後するようです。

「待つ時間」も大切な思い出

「ダイヤモンドにするのって、どのくらい時間がかかるんだろう?」
夫が、少し不安そうに尋ねた。
私たち二人の気持ちは固まったけれど、お義母さんの遺骨をすぐに手放すことに、まだ少し抵抗があるのかもしれない。夫の心配そうな顔を見て、私も胸が締め付けられた。
「私も気になって、窓口に聞いてみたんだ。母の時もそうだったけど、今回も、すぐにできるわけじゃないみたい」

「約3か月」の特別な時間

「製作には、だいたい12週間から16週間かかるんだって」
夫は、その言葉に驚いた顔をした。
「そんなにかかるのか?」
「うん。でもね、ちゃんと理由があるんだよ。お義母さんの遺骨を、遠い国のラボに送って、丁寧にダイヤモンドにしてもらうんだから。私の母の時も同じくらいかかったよ。」
私は、ウェブサイトに書かれていた文章を夫に見せた。
『輸送状況やご遺骨、ご毛髪の個体差、ダイヤモンドのカットやサイズにより前後する場合がございます。ジュエリー製作は国内の工房での加工となるため、別途、加工期間を頂いております。』
夫は、その文章を食い入るように読んでいる。
「そうだよね。母を最高の輝きにするためには、それくらい時間がかかっても当然だよな」

「待つ時間」も、思い出になる

「それにね、私の母の時も、その待つ時間を大切にしたいなって思ったんだ」
「どういうことだ?」
「ダイヤモンドができるまでの間、私たちは亡くなったひとのことをもっともっと深く思い出せるんじゃないかな。どんな思い出をダイヤモンドに込めたいか、二人でじっくり話す時間も、きっと素敵な思い出になるよ」
夫は、私の言葉に静かに頷いた。
遺骨ダイヤモンドは、ただの「モノ」じゃない。
それは、亡くなった肉親との「最後の旅」。そして、私たちに与えられた故人との「最後の時間」なのだ。
その旅を、その時間を、二人で大切にしていこうと、改めて心に誓った。


キャンセルはできるか?

申し込みした後のキャンセルは5日以内ならできるそうです。製造プロセスが開始された後はキャンセルができないので、申し込むまでじっくりと検討したほうがよさそう。

「5日間」に込められた想い

「母をダイヤモンドにしようって決めたけど、本当にこれでよかったのかな…」
夫が、申し込み用紙を前に、不安そうにつぶやいた。
一度決めたことなのに、夫の心の中には、まだ迷いがあるようだ。無理もない。肉親の遺骨を預けるというのは、簡単なことじゃない。
「やっぱり、やめようか?」
夫のその言葉に、私の胸は締め付けられた。

「迷う時間」は、もう終わり

「私も、同じように迷ったよ」
私は、夫の手をそっと握り、優しく語りかけた。
「でもね、一度『やる』と決めたら、もう迷わないって決めたの」
私は、ウェブサイトの「キャンセルについて」のページを夫に見せた。
『キャンセル可能期間は、お申し込み完了後、5日以内となります。製造プロセスが開始された後はキャンセルは不可となります。ゆっくりとご検討いただき、ご納得いただいた後にお申込みをお願いいたします。』
夫は、その文章を真剣な顔で読んでいる。
「5日、か…」
「そう。この5日間は、私たちに残された『最後の迷う時間』なんだよ。だから、ゆっくり、本当にゆっくり考えて、納得してから、申し込みをしようね」

「後悔」しないために

夫は、私の言葉に静かに頷いた。
「そうだな。母のことだもん、後悔しないようにしたいよな」
それから、私たちは、もう一度、お義母さんのアルバムを開いた。
楽しかった思い出、嬉しかった思い出、そして、少しだけ悲しかった思い出。
そうして、二人でじっくりと話し合った。
5日後、私たちは、お義母さんの遺骨をダイヤモンドにする決心し、申し込みをキャンセルすることはなかった。
遺骨ダイヤモンドは、私たちに「後悔しないように、今を大切に生きる」ということを教えてくれた気がする。
そして、その決断は、私たち二人を、より強く結びつけてくれたのだ。


墓じまいをしたい

墓じまいでダイヤモンドを製作することもできます。遺骨のすべてを預けることも、墓じまいに一部をダイヤモンド、残りを散骨する事もできます。散骨もダイヤモンドの窓口で対応してもらえます。

「墓じまい」と遺骨ダイヤモンドの関係

「今日、父から電話があったんだけどさ、母さんのダイヤモンドのこともあるから、お墓のこと、どうしようかって話になってさ」
夫が、夕食の食卓で、少し重い口調で切り出した。
「最近、『墓じまい』する人が増えているらしいんだけど、どう思う?」
お墓が遠方にあるため、将来、私たちが管理していくのは大変だということは、二人でずっと話していたことだった。
でも、「墓じまい」という言葉には、なんだか抵抗がある。お義父さんの安らぐ場所をなくしてしまうようで、少し罪悪感を感じてしまう。
そんな私の気持ちを察してか、夫は静かに続けた。
「お墓がなくなるのは寂しいけど、もし家族の遺骨を、いつもそばに置けるようにできたら、そっちの方がいいんじゃないかって、父も言っててさ」

「墓じまい」は、お別れじゃない

私は、遺骨ダイヤモンドの窓口に、このことを相談してみた。
すると、担当者の方は、とても親身になって話を聞いてくれた。
「墓じまいをして、そのお骨でダイヤモンドを製作することは、もちろん可能です」
私は、その言葉に、胸のつかえが取れるような気がした。
「すべてのお骨をお預かりすることもできますし、一部を散骨することもできます。散骨も、ご希望でしたらお手伝いさせていただきますので、ご安心ください」

「新しい居場所」を作ってあげること

夫にその話を伝えると、夫は少し安心したような顔をした。
「そうか。全部の遺骨じゃなくてもいいんだな」
「うん。それに、お墓がなくなっても、ご先祖さまを無下にするわけじゃない。ご先祖様の新しい居場所を、私たちの手で作ってあげるってことなんだよ」
夫は、私の言葉に深く頷いた。

墓じまい。それは、お墓との「お別れ」じゃなくて、私の母やお義母さんを含め、亡くなった家族みんなを、もっと身近に感じられるようにする、新しい「旅立ち」なんだと、二人の気持ちが一つになった瞬間だった。
遺骨ダイヤモンドは、私たちに、大切な人との新しい関係を教えてくれた気がする。

Xフォローしよう

おすすめの記事